「女子高生」にウケる「次世代ケータイコンテンツ」案

今、携帯電話が熱い。基、今、“ケータイ”が熱い。

 携帯電話は1987年の登場以来、そのサービスの向上や低価格化も手伝って、その加入者数を伸ばし、今日では多くの人にとって生活の一部となっている。発売当初はその名の通り“携帯”できる“電話”、つまり、通話のための道具であった。しかし今日では、通話以外の機能であるメールやWeb通信なども携帯電話には欠かせない機能となり、ユーザーにとってはこれら通話以外の機能も通話機能と同程度、若しくはそれ以上に重要な機能だと位置づけられている。冒頭の“ケータイ”とは、こうした通話以外の機能に焦点を当てた場合の携帯電話の通称である。そして今、その“ケータイ”が熱いのである。

 「ケータイが熱い」理由としては、2003年にauがWeb通信料の定額制を導入したことをきっかけに、NTTドコモ、ソフトバンクもそれに続いて同制度を導入したことにより、料金というWeb通信への障壁が取り除かれたことが挙げられる。また、さらに2006年4月からワンセグ放送サービスが始まりそのエンターテイメント的側面がいっそう強化された点も理由の1つである。

 本論文は、このケータイでのエンターテイメント機能に着目し、ケータイを最も利用すると思われ、且つ、流行の担い手と言われている「女子高生」をターゲットとした「次世代ケータイコンテンツ」を模索していく。その手段としては東京都内でのインタビュー調査を実施し、定量なデータではなく、定性データを用いた。その際、多くの企業が行っている調査とは一線を画すため、彼女たちと同じ学生かつ同性、つまり「女子大生」である私にしか聞けないこと、感じられないことを抽出するよう注意した。データの使用方法としては、佐藤郁哉氏の提唱する、2段階の再文脈化を採用した。 

 インタビュー調査の結果として、(1)リアル感(2)自己表現欲(3)他者への影響力(4)飽きっぽさ(5)ケータイは暇つぶし(6)意外とケチ(7)恋愛、という「女子高生」の7つの特性を抽出した。そしてこれらの特性に合致する「次世代ケータイコンテンツ」案として、(1)オープンコンテント(2)無料(3)テーマは恋愛(4)Webからワンセグへの連動、という要素を持ち合わせた「みんなでつくるケータイ小説」を提案する。